俺様魔王の甘い口づけ
「芽衣子さま、ルイさまと何かあったんですか?」
ルイの様子が変なことにハンスはすぐに気付いたみたい。
それはそうだ。
ハンスは今までだってずっとルイの事を見てきたんだから。
私は、しょんぼりと視線を落とす。
「ケンカでも、なされたんですか?」
「ううん・・・。でもルイは、もう・・・私の事なんて見えてないみたい」
私の事を瞳に映してくれる気はないのかも。
「そんなことは・・・」
「ずっと、話しかけても無視だし・・・。見てもくれないし・・・」
「芽衣子さまはルイさまを好いておられるのですね」
ハンスが優しくそう言った。
「でも、もう遅いんだ」
今更気づいたって。
ルイは、私なんてもう・・・。
「ルイさまが、芽衣子さまをお見捨てになるなんてありえませんよ」
「でも」
「一度、興味を持った人を手放すはずはありませんから」