俺様魔王の甘い口づけ
その時チカチカと、照明の灯りが点滅する。
電球が切れたのかと顔をあげた。
でも、なんだか城全体がチカチカしていた気が・・・。
停電みたいな感じなのかな?
「・・・ルイさま」
「え?どうしたの?」
「いえ、なんでもございませんよ。とにかく、気を落とされないでください。ルイさまは不器用なお方ですから」
ハンスはにっこり笑うと、立ち去る。
その後ろ姿を見つめながら私は、思いを馳せる。
ルイ。
あの時、私が本当の事を話してたらどうしてたの?
どうするべきだったのか、わからないよ。
「私・・・どうしたらよかったの?」
苦しいよ。
こんなにも。
ルイが遠くに行っちゃったみたいで。
近づいたと思ったら、全然近づいてなんてなくて。
本当は、ずっとずっと向こうにいた。