俺様魔王の甘い口づけ
ご飯を同じ空間で食べても、会話なんてなくて。
ルイは、私の方なんて見ようともせず黙々と食事をとる。
私は、そんなルイに声をかけることもできず同じように黙々と食べる。
そんな私たちを複雑な表情でハンスは見つめるんだ。
食事が終わり、ルイが立ち上がる。
このままじゃダメだ。
聞かなきゃ。
ルイに。
どうして私を無視するのか。
「・・・ねぇ、ル」
「ルーイ!」
私の声をかき消すような声が響く。
その次の瞬間、誰かが突然現れ、ルイの身体に抱きついた。
そして、自分の唇をルイのそれに重ねたのだ。
「・・・っ!」
目の前で交わされるキスに、私は目を見開く。
いったい、誰なのか。
短いふんわりしたスカート。
シマシマのニーハイソックス。
全体的に黒テイストの服装の女の子。
背中には真っ黒な羽をはやしている。
悪魔。