俺様魔王の甘い口づけ
「ルイ!会いたかった!」
その女の子は唇を離すとそう言って笑ってルイに抱きつく。
ルイは、それを受け入れるわけでもなく、拒絶するわけでもない。
「アンリさま、お久しぶりにございます」
「ふふっ、ハンスは相変わらず堅苦しいのね」
アンリと呼ばれたその人は、ハンスも顔見知りのようだ。
私だけ、置いてけぼりだ。
ルイに馴れ馴れしい彼女は、いったいルイのなんなんだろう。
考えたくない単語がうかぶ。
「アンリ、お前はいつも突然だな」
「だって、ルイに会いたかったんだもん。アンリと会えなくて寂しかった?」
ルイの首に手を回し小首を傾げながら可愛らしくそう言う。
ルイは、ああいうタイプの子が好きなんだろうか。
「バカを言うな」
そう言ってるけど、回された手を外そうとはしないルイ。
それって、やっぱり、そういう事なんだよね。