俺様魔王の甘い口づけ
「ちょっと、ルイ!なによお。そんな人間死んだって、いいじゃない」
アンリのふて腐れた声にも、耳を貸すことをせず、ルイはひたすらに芽衣子の名を呼んでいた。
どうしてこんなことに?
いったい、何が起きたというんだ。
「ルイさま、芽衣子さまのお部屋に運びましょう」
「・・・あ、ああ」
ハンスに促され、ルイは芽衣子を横抱きにすると急いで芽衣子の部屋へと向かった。
ベッドに芽衣子を横たえる。
「医師を呼んできます」
ハンスはルイを残し、部屋を出た。
残されたルイは、芽衣子の側でじっと芽衣子を見ていた。
苦しそうにうなされる芽衣子。
荒い呼吸を繰り返し、しんどさゆえの涙を流す。
苦しそうなその姿に胸を締め付けられる。
あの風呂場での出来事の後。
どう接したらいいのかわからなかった。
自分にウソをついている芽衣子に、どう接すればよいのか。