俺様魔王の甘い口づけ
そんな思いも、熱から覚めれば気恥ずかしく切り出すこともできなかった。
情けないものだ。
「ぁあっ・・・はっ・・・ル・・・イ・・・」
苦しそうにうなされながら、自分の名前を呼ぶ芽衣子。
もどかしい思いが、苛立ちを高める。
何もしてやることができないのか。
こんなにも、芽衣子が苦しんでいるのに。
「俺は・・・、人間一人、満足に救えんのか!」
殺すことは、あんなにも容易いというのに。
握りしめた拳。
悔しい。
こんな思いだって、知らなかった。
「ルイさま!医師を連れてきました!」
ハンスが慌てた様子で戻ってきた。
連れてきたのは、魔界の医師。