俺様魔王の甘い口づけ



「人間の病気なんて・・・わしは見たことないんだがなぁ」

「ですが、あなたしか我々には頼れる人がいないんです!」




普段悪魔を見ている悪魔の医師だ。
人間の身体を診ることには慣れていない。

しかし、人間界に繋がりのないルイたちには、頼れるのは彼しかいないのだ。





「仕方ないねぇ。どうなっても知らないよ」




医師は仕方なしに芽衣子の側による。
そっと芽衣子の身体に触れる。




「こ、これは・・・」



医師は驚いたように声を上げる。




「どうした」



ルイが怪訝そうに医師を見る。
医師は、少し戸惑いながらルイを見た。



「これは、病気なんかじゃないよ」

「なに?」

「この娘は、とんでもないものを・・・」




医師は、恐ろしいものを見るかのような視線を芽衣子に送る。





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