俺様魔王の甘い口づけ
学校も終わり、帰り道。
唯香とは方向が違うから校門を出るとすぐにわかれる。
だからそこからは一人。
方向が一緒の友だちを探そうかな、と思いながら歩く。
友だちを作るのは得意。
結構すぐに打ち解けられる方だと思う。
明るさと元気だけが取り柄だって、皆に言われるから。
だけっていうのは余計なんだけど。
「なんとなく遠回りな気がするんだよね…」
高校に通い始めてまだ一週間程度。
なかなか近道だと思える通学路を見つけられずにいる。
どこか通り抜けられるところは…そう思いながら進む。
その途中、とある公園を見つけた。
…こんなところに公園なんてあったんだ。
でも、変な公園だ。
街中のこんなところにあるから、公園だと思ったけど、木々が生い茂っていて中まで見えない。
だから、遊具があるのかわからないから公園と断言するにはまだ早い気もする。
なんだか、ミスマッチだ。
ここだけ一気に自然あふれている感じ。