俺様魔王の甘い口づけ



「お前か、芽衣子に魔術師の居場所を知らえたのは」

「・・・ええ」

「なぜ、なぜ教えた!」




当り散らす相手は違うだろうに。
それでも、責めずにはいられなかった。



心のわだかまりを誰かにぶつけないと気が済まなかった。





「魔王さま、あなたは芽衣子がなんのために私を訪ねてきたと思いますか?」

「何の為・・・?」

「私になにを尋ねたのか・・・。そして、魔術師になにを求めたのか」





そんなこと、知るわけがなかった。
芽衣子はなにも言わない。

聞いても、はぐらかされただけだ。




「聞いたところで、教えてくれぬ」

「教えてもらえなければ、わかりませんか?」

「なに?」

「あなたは、芽衣子をちゃんと見ていましたか?芽衣子が何を想い、なにを願い、なにを考えていたのか・・・」





男は、まっすぐとルイを見てそう言った。





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