俺様魔王の甘い口づけ
「同じだよ」
「なに?」
「芽衣子も同じ」
ルイには、リリーが何を言っているのか理解できなかった。
同じ。
なにが、同じだというのか。
「芽衣子も、魔王さまを救いたくて来たのさ」
「・・・俺を?」
「芽衣子の願いは、魔王の呪いを解く方法を知ること」
リリーの言葉を聞き、ルイは言葉を失った。
芽衣子の望みは、自分の呪いを解くこと?
そんな、まさか。
「自分のためではなく、俺のために・・・契約を交わしてまで・・・」
「そう。躊躇いなく、死んだあと私に心臓をくれると契約を交わしたのよ」
「なぜだ!なぜ、俺のためにそんな!!」
ルイの声が、洞窟内に響く。
芽衣子は今、自分のせいで苦しんでいるというのか・・・。
そのことが、ルイの心を乱れさせる。