俺様魔王の甘い口づけ
「・・・これで終わり」
「なら、さっさと教えろ」
「せっかちだな。まぁいいや。教えてあげるよ」
リリーはルイの手を放すと、やれやれといった感じでルイから離れる。
リリーは、一枚の紙を取り出しルイに差し出す。
「これは、魔術のしみこませてある紙だ。魔法陣が書いてある」
「・・・これをどうすればいい」
「これを、芽衣子の契約のしるしの上に乗せる。そして、芽衣子の事を心から救いたいと願う者の手を重ねるんだ」
「救いたいと願う者の手・・・」
ルイは、自分の手に視線を落とす。
「今の、魔王さまの気持ちなら、できるはずよ」
「・・・そうか」
「そうすれば、その魔方陣は作用する。その紙は、熱を発する。そして、芽衣子はとても苦しむ。でも、その手を放してはダメ。放せば芽衣子は死ぬと思って」
「・・・っ!」
「その熱がひけば、契約は再び結ばれる。でも、それは契約のしるしが元に戻るだけ。芽衣子の心の闇は払うことはできない」
「な、に・・・」