俺様魔王の甘い口づけ
ルイは、城へと戻る。
ハンスがすぐに駆けつけルイを迎えた。
「ルイさま・・・」
「ああ。帰った」
「では・・・」
「ああ、心配ない。必ず、芽衣子を助ける」
ルイはそう言うとまっすぐに芽衣子の部屋に向かう。
ハンスには、契約のことを言えなかった。
芽衣子が黙っていた気持ちが、少しだけわかる気がした。
「芽衣子の様子は」
「苦しそうにうなされています。憔悴して・・・とても見ていられない・・・」
徐々に涙声になっていくハンスの声。
そうか、と小さく呟き歩く速度を速める。
ハンスの中でも、芽衣子の存在はとても大きいのだと。
側にいて、世話を焼いているのだから当然なのかもしれない。
少しぶりに見る芽衣子の姿。
苦しそうに顔を歪ませながらベッドに横たわる。
ルイは、そっとポケットからリリーから受け取った魔法陣が書かれた紙を取り出す。