俺様魔王の甘い口づけ



「芽衣子、・・・すまん」



そう芽衣子に告げ、そっと手を伸ばす。
芽衣子の胸元をはだけさせる。

契約のしるしから伸びる触手はさらに心臓へと伸びて、一刻の猶予もないのだと知らせる。




―これを、芽衣子の契約のしるしの上に乗せる。そして、芽衣子の事を心から救いたいと願う者の手を重ねるんだ




「ルイさま、それは・・・」

「芽衣子を心から救いたいと願う者が手を重ねるらしい」

「ならば、それはルイさまに違いありません」

「・・・本当に、俺でよいのだろうか」





もし、違ったなら。
もし、失敗してしまったとしたら。


取り返しのつかない結果になったとしたら。

そんなことを考えるなんて、自分らしくもないと。




「いいに決まっております。私は、ルイさまを見てきたのですから。ルイさまの芽衣子さまを思う気持ちは、本物ですよ」

「・・・そうか」




手が、震える。
怖いという気持ちなんて初めてだ。




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