俺様魔王の甘い口づけ
どれほどの時間がたっただろうか。
苦しむ芽衣子から、何度も目をそらしたくなり。
それでも、負けないようにと。
焼けるような熱さにも怯まず。
ただひたすらに。
芽衣子の名前を呼び続けた。
こんなにも、誰かのために必死になったことがあっただろうか。
こんなにも、誰かを助けたいと願ったことがあっただろうか。
「芽衣子・・・」
すがるような思いに、声を震わせたことがあっただろうか。
芽衣子に出会ってから。
初めての事ばかりだ。
知らない気持ちばかりだ。
なぜ、こんなにも夢中になっているのだろう。