俺様魔王の甘い口づけ



どれほどの時間がたっただろうか。
苦しむ芽衣子から、何度も目をそらしたくなり。


それでも、負けないようにと。
焼けるような熱さにも怯まず。




ただひたすらに。
芽衣子の名前を呼び続けた。



こんなにも、誰かのために必死になったことがあっただろうか。




こんなにも、誰かを助けたいと願ったことがあっただろうか。






「芽衣子・・・」





すがるような思いに、声を震わせたことがあっただろうか。






芽衣子に出会ってから。
初めての事ばかりだ。




知らない気持ちばかりだ。






なぜ、こんなにも夢中になっているのだろう。





< 320 / 425 >

この作品をシェア

pagetop