俺様魔王の甘い口づけ
どうすればよいというのか。
心を救う方法など、知るわけがない。
これ以上、どうしようもできないというのか。
ここまで。
せっかく、ここまで来たというのに。
「芽衣子・・・目を覚ませ」
芽衣子にその声は届いているのかいないのか。
反応は、ない。
それは、心がまだ闇に包まれているから?
「芽衣子・・・」
何度目だろうその名を呼びルイは、芽衣子を覗き込む。
すやすやと先ほどとは違う安らかな顔。
ホッとすると同時に、このまま目を覚まさなかったらと不安がよぎる。
ルイは、ゆっくりとゆっくりと。
吸い寄せられるように、芽衣子の唇に自分のそれを重ね合わせた。