俺様魔王の甘い口づけ
「それってきっと、ハンスはなにも言わなくても側にいてくれるって信じてたからだよ」
ルイ自身はそのことに気づいていなかっただけ。
きっと、ハンスの事ずっと特別に思ってた。
「そうでしょうか」
「そうだよ、絶対!」
そうじゃなきゃ、ルイが側に置いておくはずないもの。
側に置かず、孤独を貫き通していたはずだわ。
だから、本当に私はきっかけに過ぎなかったの。
「だから、これからもルイの側にいてあげて」
「・・・はい。もちろん」
契約で、城から離れられないと言っていたハンス。
言い方を変えれば、この城に閉じ込められているっていう事なのに。
ハンスは、そのことをなんとも思っていないみたい。
それはきっと、本当にルイの側にいることを幸せに感じているからなんだろう。