俺様魔王の甘い口づけ



「ルイ、ルイの血を私にちょうだい」



ハンスとの話のあとすぐにルイのもとに言ってそう告げた。
すぐにでも、ルイに伝えたかったから。
私の覚悟を。



「本当に、いいのか?」

「うん。もう、決めたから」

「・・・そうか」

「ルイの側に、いていいんだよね?」



ずっと側に。




「芽衣子、俺の側にいてくれ」





甘い甘いルイの言葉。
痺れるようなその声に。


私は、恋をする。




「喜んで」




ああなんて、可愛げのない返事。
もっとこの喜びを表現できたのなら。

言葉にして、表情に変えて。
あなたに伝えられたら。




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