俺様魔王の甘い口づけ
「終わりました」
いつの間にかうとうとしていた私。
ハンスに揺すり起こされ目を覚ました。
「あ・・・、終わったんだ」
点滴を見れば、針は抜かれそこはすっかり空になっていた。
何かが・・・変った?
まったく、なんの感覚も変わった感じがしない。
「変化が、わからない」
「そういうものですよ。言ったでしょう。芽衣子さんが変わるわけではないと」
意外にも、あっけないものなのだと。
手を上にかざしてみるけど、なにも変わりはない。
「完全ではないが、傷の治癒能力は高まっているはずだ」
「傷の治りが早いってこと?ラッキー」
「完全ではないのだから、調子に乗るなよ」
「はぁい」
ルイが不安そうに私を見るけど、私は気にしない。
せっかく身についた特典なんだもん。
喜ばなきゃね。