俺様魔王の甘い口づけ
悲しみの
一人で行こうとするルイの腕を掴んだ。
ルイは、掴れた手を見つめた後私に視線を移す。
「芽衣子・・・?」
「ルイ、一人で行かないで。私も、一緒に行く」
「なにを言ってるんだ。お前は、ハンスと共に城から今すぐ逃げろ!」
ルイが腕を引く。
でも、私は放してなんかあげない。
放すもんか。
「ハンス、芽衣子をさっさと連れて行け!」
「いや!ルイ!一人で行くなんてダメだよ!」
「芽衣子が来たところで何ができる。足手まといだ!」
「ルイ!」
「ハンス、早くしろ!」
私の腕を強引に引き離し叫ぶルイ。
私の言葉を聞いてくれない。
ハンスは戸惑いながら、私に駆け寄り私の肩を掴む。
「芽衣子さま、行きましょう」
「行かない、私、逃げない!」
「芽衣子さま!」
だってこんな。
ルイの呪いを解けるかもしれないの。
せっかく、その方法が試せるかもしれないのに!