俺様魔王の甘い口づけ
それにひとりよりは、心細くなくていいし。
「わかった。じゃあ、お願い」
「では、仕事が落ち着き次第こちらに向かわせます」
「はぁい」
それまでは、部屋でおとなしくしておこう。
よし。
帰るんだ。
食事が終わり、部屋に一人になった私。
魔物の血で汚れた服は綺麗に洗濯をされ返ってきた。
そういう気配りは、本当に最高だと思う。
その制服に身を包み、いつでも帰る準備はできた。
そうしていると、トントンとノックがする。
「はい、どうぞ」
返事をするとギィッと音を立て扉が開く。
「…失礼します」
そうやって入ってきたのは、目を隠すくらいの前髪で、執事の格好をしているけど、堂々とピシッとしているハンスとは正反対の、とても怯えたように縮こまっている男の子。
きっと歳は私と同じくらい?
「は、はじめまして…。リオンです…」
「初めまして。芽衣子です」
軽い自己紹介。
しゃべり方も、おどおどとしている。
大丈夫なの、この彼。