俺様魔王の甘い口づけ
「どうして!ハンス!どうしてよ!」
「芽衣子さま・・・」
ハンスを責めても仕方がないのに。
ハンスは、ルイのいう事を聞いただけ。
それでも、誰かにこの憤りをぶつけないと気が済まなかった。
「どうしてルイを一人で残させたの!」
「いえ、お一人ではございません。キイさまが」
「キイが・・・?」
いつの間にか、城からいなくなっていたキイ。
きっとまたどこか旅にでも出たんだろうとルイは言ってた。
そのキイが、戻ってきてるの?
そして、ルイと一緒に戦おうとしてくれているの?
「それに、私も戻りますので」
「ハンス・・・?」
「そろそろ、リオンが追い付いてくるはずです。そうすれば、私はルイさまの元へ」
どうして、どうしてみんなはそうやって戦おうとしているのに。
私だけ、仲間はずれなの?
私だけおいてけぼりなの?
私だって。
私だって、皆と戦いたい。