俺様魔王の甘い口づけ
届かない想い。
欲しかったもの。
手にしたかったもの。
「・・・っそんなにこの女がいいのなら」
「アンリ」
「この女と一緒にここで葬りさってあげる!!!」
乱暴に私を投げつけるように振り落す。
そんな私をルイが受け止めてくれる。
アンリは、その様子を悔しそうに見つめた後、城から飛び出していってしまった。
「アンリ!」
私は叫ぶけど、その声が届くことはなく。
「芽衣子!平気か・・・?」
「ルイ、私は・・・。でも、リオンが!リオンが私を庇ってケガを!」
「リオン・・・そうか。ハンスに向かわせよう」
側で控えていたハンスが姿を見せると、ルイと目配せして行ってしまう。