俺様魔王の甘い口づけ



味方とか、敵とか。
もう嫌だ。


「こんな風に、争いあう事しかできないの?私たち人間と、彼ら悪魔は、これから先もこうやって争いあうしかできないの!?」

「歩み寄れというのか?そんな、それこそ綺麗事だ!」




綺麗事?
違うでしょ。

見ようとしてこなかったんだ。



「本当の姿を互いに見ようとしなかったんだ!本当は、同じように誰かを愛し、笑い、涙を流す・・・。それなのに、悪魔だからと自分たちとは違うからと初めから見ようとしてこなかった」

「悪魔は人間を殺す!」

「そうよ。でも、人間だって自分たちの欲望のために魔王を襲ったわ。許されることじゃない。ルイがしたことも、忘れてはいけないことだわ」




私だって、最初はルイの事軽蔑した。
怖ろしいと思った。


でも、ルイの事を知ればその気持ちも変わった。




「変わることを恐れては、これから先も何も変わらない!」





許せない心も本当で。
憎む心も本当。


それでも、前を向かなきゃ始まらない。




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