俺様魔王の甘い口づけ
ならば、その人たちの苦しみは、悲しみは、憤りはどうなるの。
誰に向ければいいの。
そうして向けられた思いが新しい争いを生むんだ。
そうやって、連鎖していくんだ。
ならば、ここで止めなくては。
悲しみにくれるのは、もうたくさんだ。
「そんなの、夢物語だ!!」
誰かが叫ぶ。
ドクンッ!!!
胸に、鋭い痛み。
息が、詰まる。
視界が、歪む。
私は、そのまま足に力をなくし倒れこんだ。