俺様魔王の甘い口づけ
もしかして・・・。
「ルイ、あなた今何歳なの?」
「99歳・・・。人間でいう19歳くらいか?」
「うそ・・・」
それじゃあ、まだ魔王になっていないルイなんだ。
魔王の儀式とやらをしていない。
まだ、父親も健在っていう事?
「魔王って・・・」
「俺の父だが・・・。お前は、なんなのだ」
「ごめんね。ちょっと、確かめたくて」
怪訝そうなルイ。
私はごまかすように笑って、ルイについて歩く。
私を、庇ってくれようとしているんだろうか。
前の魔王は、冷酷を素で行くような人だと聞いたことがある。
冷酷で、残忍で。
ルイの見本となった人。
「しばらくここで、静かにしていろ」
「うん。・・・ありがとう」
きっと、匿ってくれようとしているのだと思って礼を言う。
でもルイは、それに返事をすることなく扉を閉めて行ってしまった。