俺様魔王の甘い口づけ
「ダメだ。もうすぐ父が帰ってくる。人間であるお前がいることがばれれば、血を吸われて終いだ」
「でも・・・」
「ダメだ。お前は、死にたいのか?」
「そういうわけじゃ・・・!」
時間がないのよ。
だって、100年の節目にってハンスが言っていたもの。
あとどれほど時間が残っているかわからない。
あと1年なのか、それとも明日なのか・・・。
「ルイ・・・、あなたの100年目の日って・・・」
「ん?明後日だが、それがどうかしたのか」
「明後日!?」
そんな、本当に時間がないじゃない!
そんな短い時間で説得なんて・・・。
「木が見たいのなら明日連れて行ってやる。明日も父は出るからな」
「明日・・・」
ルイの、残された時間はあと二日もないんだ。
二日後には、ルイは冷酷な魔王になってしまう。