俺様魔王の甘い口づけ
「ルイ、お願い!明後日の、儀式!やめにして!」
「なに?」
眉を顰め、私を睨むように見るルイ。
だって、当然だ。
初めて会った人間の女にこんな風に言われてるんだから。
それでも、お願いだから。
「そんなことしたって、なにも得るものなんてないよ!お願い、ルイ!」
「お前は、なにを知っているっていうんだ」
「なんでも知ってる!ルイが、これから先どうなるかも、そして、なにに苦しむのかも!」
ルイは、苦しんでた。
魔王の定めに。
父親のように冷酷になろうとしていたけど。
魔王として冷酷で残忍であろうと・・・。
魔王の呪いに、苦しんでいたんだよ。
「なにを馬鹿なことを言っているんだ」
「信じて!ルイ!ダメ!父親を殺すなんて!絶対にダメだよ!」
「なぜ、その儀式の事を知っている・・・。それは、極秘に受け継がれているはずの事柄だ」
「そんなことはどうだっていいの!お願い、私の話を聞いて!」
ルイに縋り付き、説得をしようとする。
ルイの表情は険しくなる一方。
どうしようというのだろう。
そうすることが、ルイの幸せなのかなんてわからないのに。