俺様魔王の甘い口づけ
もしかしたら・・・。
その未来が変われば、私はルイとは出会わないかもしれないんだ。
そうだ・・・。
「大事なこと忘れてた・・・」
私が出会ったのは、魔王であるルイだ。
ここで、説得がうまくいけば、その未来は訪れない。
私とルイが、出会うこともない。
私の中の、ルイとの思い出も。
笑ったことも泣いたことも怒ったことも全部。
なくなってしまうんだ。
私の中に流れる、ルイの血さえも・・・?
「なぜ、泣く」
いつの間にか泣いてしまっていた。
全てをなくしてしまうかもしれない。
ルイとの思い出。