俺様魔王の甘い口づけ
「どうだって関係ないわ。私があいつの事嫌いなことに、変わりはないもの」
「芽衣子さま…」
私はそう言い捨てると、自分の部屋に向かって歩き出す。
例えば、仮に本当に私を助けてくれようとしていたとしても。
その方法を、私は認めたくない。
殺さなくても、助けることはできたはず。
それなのに、そうはせずきっと一番簡単な方法で終わらせた。
そのことが、許せないの。
魔王さまだか何だか知らないけど、命をなんだと思っているの。
「あ―イライラする!」
こっちに来てから、イライラしてばかりだ。
ストレスがたまって気が変になりそう。
一人ぼっちって、辛いな。
部屋に戻れば、本当に一人ぼっち。
気を許せる人がいないから、気を緩められるときがない。
だから、一日終わるころにはどっと疲れてしまった。
いつになったら戻れるんだろう。
そんなことばかりを考えてしまう。