俺様魔王の甘い口づけ
それぞれの想い
「なぜ、こんなことをする?」
突然、神妙な顔をして言い出すルイに、私は顔を上げる。
合わさる視線に、少しドギマギしてしまう。
「こんな事って?」
「手当など、俺様はいいと言っておるのに」
「なに言ってるの。バイキン入ったらどうするの?痛いくせにやせ我慢してるんじゃないわよ」
血が止まらない。
なにかで押さえて血を止めないと…。
「芽衣子さま」
「あ、ハンス。ありがとう」
「いえ…」
一通りの救急セットを持ってきてくれたハンス。
とりあえず濡れタオルを受け取り傷口にそっと当てる。
そして、止血をするためグッと力を入れて押さえた。
少し顔をしかめるルイ。
「少し我慢してよね」
「…お前は、俺様がいなくなった方がいいのだろう」
「は?」
いなくなった方がいい?
私は本気で意味が分からずルイを怪訝そうに見返す。