隣の席のキミ。
次の人に自己紹介が移ると同時に、ツンツンと腕に感じたもの。
不思議に思って顔をそちらに向けると、岡が俺を見ていて。
透き通った飴色の瞳。
綺麗だな、と思った。
「柿崎くん、だったよね?」
何が楽しいのか分からないけど、どこか弾んだ声。
まぁ、さっきは緊張ぎみの声だったからそう聞こえるのかもな。
「あたし、岡 綾香。
これからしばらく、お隣同士ってことでよろしくね!」
ニコ、と笑顔を向けられて。
無邪気に笑う姿に思わず言葉につまった。
なんの混じりけもない純粋な笑顔に。
ドキッとした。
そして、俺は自分でも間抜けだと思うが『あぁ』と返すしかできなかった。
慌てて岡から顔を背ける。