隣の席のキミ。
これは、使ってもいいよってことなのかな。
聞きたいけど聞けるような状況でもなく。
当たり前だよね、これでも一応テストだし。
うーん……これで使わずに返すのも失礼な気が。
だってせっかく貸して(?)くれたのに……
迷ったあげく結局使わせてもらうことにした。
先生のやめ、と言う言葉でテストが終わる。
「じゃあ隣の席のやつと答案用紙交換してー」
え、柿崎くんと?
躊躇うあたしとは反対に、柿崎くんは普通に答案用紙を差し出してきた。
しかも無言。
あたしも何も言わず(というか言えず)に答案用紙を渡した。
解答が配られて丸つけをする。
うわ、柿崎くんすごい……1個しか間違えてないんですけど。
この前の数学の小テストでもただ1人パーフェクトだって言ってたし。
その頭があたしにもあればな……
羨ましいことこの上ない。