隣の席のキミ。
……いやいや、そんなこと考えている場合じゃない。
「似てないかな?」
「いや、まず何描いたのこれ」
「え、猫だけど」
「…………」
「……?」
「………ふはっ」
「!!」
かっ、柿崎くんが笑った!!
『ふはっ』て!!
なんか、笑顔とか無邪気でめっちゃかわいいんですけどっ!?
うわー、うわー、かわいー!
柄にもなく頬が少し熱くなる。
「猫って……絵心なさすぎ」
「うそっ!?うまく描けたと思ったんだけど……」
「これが?」
そ、その忍び笑いやめてほしい……
そんなに似てないかな?
自信持って見せた自分がかなり恥ずかしいんですけど。
「ブタにしか見えねー」
「…………」
それは酷くないですか。
思わずムッとするけど、無邪気に笑う柿崎くんに毒気を抜かれてしまった。
くっそ、イケメンはマイナスイオンでも発しているのか。