めぐりあい(仮)
「蓮哉、もう寝る?」
「んー…気持ち悪ぃ」
結構広めのお部屋。
キッチンも広いし、
お風呂とトイレは別。
リビングと寝室も分かれてるし、
ベランダだってちゃんとある。
「もう、大丈夫?」
ベッドに座っている蓮哉の横に座り、
背中を擦ってあげる。
こんなに気持ち悪くなるまで
飲むから悪いだよ。
「横になりなよ」
「妃名子、風呂入って来いよ」
…は?
何言ってんの、この男。
「いやいや、あたし帰ってから入るから」
「今日泊まってくんじゃねーの?」
「そんなこと、一言も言ってないけど」
「泊まってけよ。もう遅いし危ないから」
時計を見れば、夜の10時過ぎ。
何時だと思ってんのか知らないけど、
こんな時間にいつもバイト終わってるし。
しかもどう考えても、
あたしん家、多分ここから本当に
近いと思う。
「本当大丈夫だってば」
「言うこと聞けや」
そう言って蓮哉は。
横にいるあたしを、
ベッドに押し倒した。
「れ、蓮…」
「泊まってくよな?」
「帰るってば」
そう言うと、蓮哉は
あたしとの距離を詰めるように
顔を近付け。
「言うこと聞けねーの?」
そう言った。
酔ってるとはいえ、
こんなことになると
思ってなかったあたしは。
「と、泊まってくから」
この状況を回避するために、
そう答えた。
すると今まで甘い顔を
していた蓮哉は。
「最初っからそう言えよ、ばか」
なんて言いやがった。
しかも超普通に戻ってるし。
「風呂、先使え」
着替え貸してやるから。
なんて言われ。
どうすることも出来ずに、
仕方なく脱衣所に行くことに。
が、しかし。
大事なことに気が付いた。
「パンツ…ない」
どうしようか迷った挙句。
もう1度部屋に戻り。
「蓮…」
「何だよ」
「ない」
「何が?」
「…下着」
そう言うと、
数秒沈黙になって。
「買いに行くか」
そう言って近くのコンビニに
行くことになった。