おじさまに、ドン!
大学にて
今、あたしは通ってる大学の学食で、突っ伏しながら呻いてます。
学食はかなり広くて、いろんなお店が入ってるから近くの人たちが気軽に利用する。あたしは親友のマリカと一緒に座ってたけど。 彼女にパコン、と丸めたテキストで軽く額を叩かれて、両手でそこを押さえながら呻いた。
「あんた、次の前期考査のドイツ語で80点取らないと単位ヤバいっしょ! やる気出しなって」
「ドイツ語より……寛治さんがわからない」
顔を上げてぼそぼそと喋れば、はぁっと盛大なため息を吐かれてしまいましたよ。
「まあ~た寛治さんのこと? 何があったか言ってみな」
「寛治さんが……帰って来なかった」
「はぁ?それだけ!?」
「それだけ……って、ひどい! あたしには重大ごとなのに」
マリカはますます呆れた顔になり、テキストで肩を叩きながら正論を吐く。
「あのね~寛治さんは35にもなる成人男性でしょうが。彼なら彼なりに付き合いってもんがある。いい加減にそれくらい認めなって」
「うう……わかってるよう」
わかってる。あたしが束縛する権利がないってことくらいは。でも、やっぱり辛いんだもん。