おじさまに、ドン!
親友の提案
マリカはあたしが転校した小学校から友達になってくれた、とっても長い付き合いの親友。だから、あたしの長い片思いのことも知ってる。
「あんたの年季の入った気持ちは知ってるから、どうにかしてあげたいのは山々だけどさ。
やっぱし、こういうのは自分でなんとかしてこそ本物だと思うからね」
マリカの言うことはいちいちもっともで、ぐうの音も出ない。あたしと違って恋愛経験豊富な彼女は、この年で恋の甘さも苦さも知ってる。
マリカは美人な見た目だけじゃなく、本人も相当な努力をしてる。その女子力の高さは、見習うべきだけど。
「やっぱり、どうしていいかわかんないよ。いつも好きだって言ってるのに」
「あのね、毎日言えばそりゃ軽くもなるわ。ふわッふわの羽毛みたいなもん。風が吹いたらどっか飛ばされてくわ」
「そ……それ困る」
飛ばされたら、どこかへ行っちゃうじゃない。
「いい、とっておきのひと言こそ滅多に口にしないの! そこで、一応女性であるあんたに提案があるんだけど」
マリカが出したアイディアはびっくりと、どっきり。けど、躊躇うよりはダメ元でやって見ようと思えた。