おじさまに、ドン!
現実に戻りましたが…
「か、寛治さんが……好きです!本当に、好きなんです!」
告白をしながら前開きのシャツのボタンを、震える手で外していく。そこから見えるのは、情熱的な赤と黒の下着。セクシー路線で攻めなさい、とマリカのアドバイスを受け買ったもの。
ブランドものの上下セットの下着は、ガーターベルトとストッキングもセットになってて3万もした。とてもお小遣いでは足りずに、人生ではじめてアルバイトをしたお給料で購入したんだ。
それなのに……
寛治さんはまた、あたしの想いを拒んだ。
力を失ったあたしの手は、寛治さんの身体を解放する。
「そ……う、だよね。寛治さんにとって、あたしはただの親友の娘で……子どもにすぎないんだ」
「くるみちゃん」
伸びてきた寛治さんの手がまた頭を撫でようとするから、堪らなくなってそれを叩いた。
「もう、いい! あたしがどんなに真剣になったって、寛治さんは聞いてくれない! あたしが……この10年……どれだけ好きだって……寛治さんは」
ぼたり、と落ちた涙を拭うこともせずに寛治さんを見ずに立ち上がる。
「もう……限界。しばらくマリカのところに泊まる。アルバイトして部屋を借りるまで……」