私のことは、ほっといてください
「オレの勘違いでなければ……楠木さんもオレのことさ……」
言いながら新見くんは、ずいっと体を寄せ、ほんの少し傾けた顔を近づけてくる。
私は思わずのけぞるものの、ここは隅っこの席。すぐに背中が壁にトンとあたってしまった。
逃げ場なし。
「に、新見くん。ダメだってば」
「何がダメなんだよ? 好きなくせに」
「えっ……」
「オレ、楠木さんが好きなものぐらい手に取るようにわかる」
「な、何が……」
「少女漫画、隅っこの席。それから、オレのこと」
「う……」
「あとさ……」
悩ましげな表情で、ほんの少し唇を開いて。
私の背後の壁に手をついた彼は甘く囁いた。
「こうやって、ちょっと強引にキスされること」
言い終えた瞬間には、彼の唇がそっと私の唇に触れた。
「違った?」
「……違わない……です」
【END】
言いながら新見くんは、ずいっと体を寄せ、ほんの少し傾けた顔を近づけてくる。
私は思わずのけぞるものの、ここは隅っこの席。すぐに背中が壁にトンとあたってしまった。
逃げ場なし。
「に、新見くん。ダメだってば」
「何がダメなんだよ? 好きなくせに」
「えっ……」
「オレ、楠木さんが好きなものぐらい手に取るようにわかる」
「な、何が……」
「少女漫画、隅っこの席。それから、オレのこと」
「う……」
「あとさ……」
悩ましげな表情で、ほんの少し唇を開いて。
私の背後の壁に手をついた彼は甘く囁いた。
「こうやって、ちょっと強引にキスされること」
言い終えた瞬間には、彼の唇がそっと私の唇に触れた。
「違った?」
「……違わない……です」
【END】