夏に散った花
ずっと考えた。

やっぱり秋夜が好き

「ふーん?」
 
...え?

「秋君のこと、まだ諦めてなかったんだ?」

樹里とは違う声に驚き振り替えると

「藤原...さん?」

なぜか藤原さんが、私たちの後ろに立っていた。
藤原さんは、一瞬ニヤッとしてまた話始めた。

「秋君かっこいいし、諦めきれないのはわかるけど、今は私のなんだから、渡さないよ?」

「っ...」

涙が出そうになったのを必死にこらえた。
今は、私と秋夜は赤の他人。 
ましてや、秋夜には彼女がいる。

わかってはいたけどやっぱ、つらい。

「橋本晃だっけ?そいつと仲良くしてなよ。」

「何?あんた。さっきから聞いてれば、偉そうに。」

樹里が藤原さんを、攻める。

「大丈夫。いこ?電車来ちゃう。」

「逃げるんだ?」

藤原さんがそういったのが聞こえたけど、もうこれ以上涙をこらえることができなかった私は、ふりかえらなかった。
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