夏に散った花

｢そ。寒くねぇ？｣

｢大丈夫。｣

｢嘘。こんなにつめてぇくせに。｣

そういって、頬をさわってくる。
何でこんなに普通にできるの？

｢秋夜の方が、冷たい。｣

秋夜の手は、とても冷たかった。
どれくらい待ってたのかな？

｢あのさ、話なんだけど...。｣

うん...。

チュッ

｢え...｣

秋夜は、私のおでこにキスをした。

｢今度呼ぶときは、ちゃんとキスさせて。｣

そういって、私に背を向けた。
あって１分もたってなかった。
ふいに、あのときのことがフラッシュバックして...。

｢待って!｣

気づいたら呼び止めてたんだ。

｢...何？｣

一度眉をしかめてから、めんどくさそうにそういった。

｢私のこと...す、好きなの？｣

何言ってんだろう？

｢ああ。｣

｢じゃあ、なん｢今は、別れるしかねぇんだよ！｣

急に怒鳴られて、からだが小さく跳ねる。
今、私、どんな顔してるのかな？

｢わり...。｣

また、秋夜は背を向けた。

｢じゃあな。｣

待ってよ！
まだ聞きたいこといっぱいあるんだよ？
藤原さんとは、どういう関係？
付き合ってるんじゃないの？
なのに私のこと好きって？

でも、秋夜は、人混みに紛れて見えなくなっていた。