夏に散った花
晃がピースをする。
緊張を解こうとしてくれたのかな?

「本番一分前です!持ち場に移動してください。」

「じゃ、お互いがんばろーな!」
そういって晃はステージ裏にいく。
樹里は、とっくにスタスタと裏にいってしまってた。

「これより、2-1の白雪姫を開幕します」

幕が開いた。
よし!頑張ろ!

「昔々...」


  ・




「チュッ」

...?
完璧に思考回路が止まってしまった。

この三分前から、説明しよう。

私は毒リンゴを食べてぶっ倒れた。
そして、小人たちが悲しむなか、王子の晃がやって来た。
とうとうキスシーン。本当にするわけではなかったはずなのに!

「チュッ」

晃にキスされた。
しかも口!

誰も気づいてはいないみたいだけど、台詞が...。
どうしてくれんの?

「次の台詞。」

耳元で晃がささやく。

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