やっぱり好きだから、片想い。【BL/mw】
遡ること4時間程前。
18時に近所のスーパーに集まったのは、サユコ、ルウ、ヒサギ、ハルキの4人だ。
高校時代の同級生である4人が揃って集まるのはかなり久し振りのこと。
職場が同じハルキとヒサギは毎日の様に顔を合わせているが、サユコとルウは彼らの働く美容院に客として時々やってくる程度。
そんな4人が集まって何をするかと言えば──
「──ねぇ、鍋パーティってどんな事するのぉ?」
ゆったりとした口調で出端を挫く様な事を言うのはルウだ。
カートを押すハルキは苦笑い、ヒサギは我関せずを決め込みハルキの隣を歩く。
ルウの言動が人様と少しズレているのはいつもの事ではあるが、今日何をするために集まったのかを知らないのかと思ってしまう。
そんなルウに手を差し伸べるのはサユコの役目。
「パーティって名前がつくからって特別な事はしないよな。フツーにみんなで鍋囲んでワイワイするだけだって」
「そぅなんだ。ルウはクリスマスみたいに飾り付けとかするのかと思っちゃった。でもハルくんちなんだもんね。ハルくんちじゃパーティっぽくならないよね」
この台詞には悪気の欠片も入っていない。
事実、ハルキの住んでいるアパートは、アパートというよりは下宿の様な古い佇まいで華やかさの欠片も無い。
そこだけが昭和にタイムスリップしたような感覚さえ覚える場所だ。