業務報告はキスのあとで
「アイツも毎年あんな風に騒いでるけど、今年は特別楽しみなんだろうな」
そう小さく、でも、私には余裕で聞こえるくらいの大きさで呟いた手島さん
「何かあるんですか?今年…」
何となく、私がそう返すと手島さんはこちらを見てニコリと笑う
そして
「さあ?何だろうね」
と、意味深な笑みと言葉だけを残して去っていく。
「何だろうね、って」
返答になってないし、絶対知ってるじゃないですか、あの顔……
手島さんの言葉に少し惑わされながらも私は仕事を進めるため、一旦オフィスを出て必要な資料を取りに資料室へと向かった