業務報告はキスのあとで
「あの、こんな話より社内案内を……」
ここは、資料室。棚が沢山置かれているせいか少し狭く、密室と言っても過言ではないようなスペースしかない。
これ以上、こんな空間にこんな人と二人きりでなんか居たくなくないと思った私が口を開いたが、しかし。
「あー、はいはい。分かった。でも、あとひとつだけ言いたいことあるんだよね」
私の切実な願いは、平岡さんにさらりと流されてしまった。
「小松さんさ」
「な、何……ですか」
真っ直ぐに私のことを見る平岡さん。私はその視線に耐えられず、少しだけ視線を足元と落とした。
すると
「俺とさ、付き合ってみない?」
目の前にいる平岡さんの口からは、とんでもない言葉が飛び出してきた。