業務報告はキスのあとで
「やった!じゃあまた後でね〜!」
「うん」
ばいばい、と言って手をひらひらと振り去っていく西野さんに私も手をふり返す
さっき……たったの一瞬でも、平岡さんからの誘いがあるかも。なんて思った自分が少し恥ずかしい。
何か、私の方が平岡さんのことを好きみたいで……嫌だ。
もともとは向こうから言い寄って来てたというのに、何だろうかこの状況は。
「…………はあっ、もう」
やめやめ、やめよう。
私は平岡さんとずっと話してなくたって、構われなくたって平気なんだ。
別に、放っておいてくれていい。
だから、今日は平岡さんなんかよりも西野さんとご飯に行くんだ。
なんて、自分に言い聞かせるようにして私はまた仕事に取り掛かった。