業務報告はキスのあとで
自分の事のように喜んで拍手をしてくれる西野さんに私もつられて笑ったけれど、その笑顔もすぐに崩れてしまう
「でも……」
「え?でも?」
「恋人同士になった途端に、何か分からないけど距離置かれてるような気がして…」
こういう話を他の女の子にするのはもちろん初めてだ。
そういう話をするのに憧れを抱いていた反面、少し恥ずかしく、そういうものを冷たい目で見ていたこともあった。
けれど私は、西野さんならこのモヤモヤを解消してくれるような気がしていたし、西野さんになら話したいと、そう思った。
「距離?」
「うん……今まで恋人でも何でもなかったのに…こう……あの、ハグ…とか……色んなことされてたんだけど……今は何だか普通の上司みたいな感じで、今日だって仕事の会話しかしてない」