業務報告はキスのあとで


「く、胡桃ちゃん……?」


「わっ……私……平岡さんの言うとおり、男慣れもしてないし、恋愛経験なんて全くないです。」




今まで……24年間、彼氏も、好きな人すらも居なかった私。


そんな私に、恋愛経験などあるわけがない。





でも






「でもっ……わ、たし……平岡さんのこと……ちゃんと…好き、です」




恋愛経験なんてしたことはないけれど、そんな私にも分かった。



平岡さんのことが〝好き〟だということ。







「私………平岡さんなら、何されてもいい。平岡さんが……いいです。」






嘘なんかじゃない。



こんなに人に側にいてほしい、と…


触れてほしい、と……そう、思ったのは初めてだ。

< 275 / 350 >

この作品をシェア

pagetop