業務報告はキスのあとで

麻奈実の言っていることも、平岡さんの行動も理解できずにただ立っている私。

そんな私達のもとへ、1人のスーツ姿の男性が歩いてくる


「おっと、コイツどうしたの?」


その男性は歩いてくるなり、平岡さんの様子を見て驚いたような顔をした。


「あ、手島さん」

「おー、可愛いね。小松さん」


手島さんの名前を呼ぶと、私のウエディングドレス姿を見た手島さん。

そして、そのあと発した〝可愛い〟という一言に私をはじめ3人の男女が反応した。


「あ、ありがとうございます」

「ちょっと、てっしー!? そういうの無しだって!! 俺もまだ言ってないのに!!」

「私も早くウエディングドレス来た〜い!」


どこから突っ込んで返事を返せば良いのか分からない状況になった化粧室の前の廊下。


「想像以上に似合ってるね、小松さん。きっと平岡もそう思ってる」

「ごめん、流石にもう言ってんのかと思った」

「じゃあ、そろそろ麻奈実も着る?」


しかし、手島さんはそんな状態に一切動じず丁寧に返事を返し始めた。

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