業務報告はキスのあとで
────そして、1時間後。
「あ、俺は生チュー」
「俺、焼酎お願い」
「私カシオレね〜〜」
結局私は平岡さんの誘いに負け、新入社員歓迎会の会場である居酒屋にいた。
そして
「ねえねえ。さっき一緒に入って来たけど、ぶっちゃけ小松さんも平岡さん狙いなの?」
「やっぱり平岡さんかっこいいし、小松さんも狙っちゃってたりするの〜?」
先程平岡さんと一緒に店内に入ってきたことから、こんな風に女子達から質問攻めにあっている。
「えっと、あの……そういうのじゃないです。本当に。全く狙ってなんかないです」
寧ろお好きにどうぞ、という感じだ。
苦手だし、嫌いだし、あんな人狙うわけあるもんか。
「あはは、ほんとー?」
「でも、確かに平岡さんみたいな人って小松さんのタイプじゃなさそうだもんねぇ〜? まぁ、逆も言えるけど、あはは」
この女子力が高く平岡さんを狙っているらしい2人の先輩、堂島(どうじま)さんと牧野(まきの)さんの一言一言に私はコクコクと頷く
だって、牧野さんの言うとおり私みたいな人間は平岡さんのようなチャラい人はタイプではないから。