業務報告はキスのあとで
* * *
資料作りに励むこと、数時間。
「お疲れ様でーす」
「お疲れー」
「お先〜」
気がつけば、退社時刻になっていた。
「おおっと。小松さん、頑張ってるね」
「へ……あっ、手島さん」
突然後ろから声をかけられ振り向くと、そこには鞄を片手に帰宅準備の済んでいる手島さんがいた
「えっと……手島さん、今日はもう帰られるんですか?」
いつも退社時刻に席は立たず、噂によると日付が変わるまで残業している日もあるという手島さん
「え?あー、うん。今日はちょっと予定があってね」
そんな手島さんも、今日はもうご帰宅されるんだとか。
「そうなんですね。お疲れ様です」
私は座ったままで少し頭を下げる。そんな私の頭上から何だか意味深な言葉が降ってくる
「今日は多分平岡も残業だろうから、まあ、頑張って。色々と」
「え? それは、どういう…」